福井の小さな山歩記


日野川上流散策

ほんとのところは、このくそ暑いのに家にいても身の置き所がないので、まだ行ったことのない広野ダムの
奥へ行って、笹ヶ峰の登り口が判りやすいのか確かめて来ようと思ったのだ。初めての山奥の林道を走る
のは少し心細い。なにしろ1300CCの小型乗用車だから底をこすりやすい。広野ダムの先は何か凄い工事
中だ。そこを過ぎると本来の?日野川沿いの細い林道となる。ここからが心細いのだ。



廃村跡

道が細い、対向車が来たらどうなるかだ。土砂の流出があり、それをゆっくりと乗り越える。まあ、それ以外
は案外良い道だったが、廃村跡を過ぎると道路事情はやや悪化、雨水でえぐられた跡を除けながら林道の
終点へ到着。そこからゆっくりと川を覗き込みながら戻る。



林道から見えた丸木橋

川に架かる丸太の橋在り、停車してgpsで地図上の位置を見ると予想した場所にぴったりだった。それなら
ばと偵察にザックを担いで丸木橋を渡る。最初は草むらをかき分けてひとまたぎの沢を二つ越えると踏み跡
があって登りとなる。すぐに「境界」の小さな標識があって間もなくはっきりとした道となった。すこぶる順調に
推移している。

しかし30分程で道があやふやになったので斜面を急登となった。枝につかまりふうふう言いながら尾根に乗
ったのだが、私の体力はこの登りで消耗した感じなのだ。そこで休憩、今日は休憩が多い。尾根には道があ
って、またまた順調に歩けるかなと思っていたのだが、だんだん両側から笹が邪魔をするようになり、さらに
灌木の枝がうるさくてなかなか疲れる。

尾根上を1時間ばかりあるいたが、この尾根道は薮の中に細い道が続いていて腰を下ろして休むような処が
ない。枝に掴まっての短い急登があり、たまらず太い枝に腰を下ろしたのだ。そこで冷たい蜜豆の缶詰を食べ
た。標高850m地点で休憩が多いのでここまで2時間も掛かっている。どうやらこの辺が潮時だと考え、引き
返すことにした。ここまでは多少薮があっても来られたが、この先はもっとひどいかも知れない、そんな感じが
したのだ。

この尾根はロボット観測所跡があるピークへ向かっているのだが、その3分の1位の処まで来たが、この速さ
では始めから目指したとしても難しい。せいぜい右へ曲がって源平谷山にたどり着けるかといったところだ。自
分の体力を知っておくことは必要だが、それにしても私は最近体力の無さを感じないではいられない。



登山口からの源平谷山

尾根を下る途中、気持の良い風が吹き抜けるところがあって、しばし樹に寄りかかってうっとりとした。眠くなり
そうだ。こんな処で眠ったら天使の膝枕で眠る様な夢を見るかも知れない。45分ほどで尾根に登った処へ戻り
待望の冷たいビールを飲んだ。しかし、持ってきたパンは全く食べる気がしない。疲れる前に食べないとダメな
のだろう。

尾根をはずれて急な斜面を降りる。しかし往きに歩いた道に出ないまま、全然道のないところを歩いて日野川
まで来てしまった。道の無いところはやはり疲れる。12時にやっとこさと云う感じで車に辿りついたのである。
冷たいお茶を飲みチョコレートを食べる。これを繰り返して暫く座っていたら、少し落ち着いてきて車に乗った。お
腹がすいたのだ。冷たいおろしそばが食べたくなった。

('03年8月23日)
2万5千分の1地図 「広野」


         目次へ