福井の小さな山歩記
中宮山
中宮山(1339.8m)は、白山中宮温泉スキー場の最上部近くから右に尾根をつたう判りやすい山だ。
その昔、白山信仰の修験者が往来したと云われる古道があって、千年以上も前に開かれたとも云われ
ています。近年は荒れ放題となっていましたが、最近復元活動が行われ整備されたものです。古道だ
とあっては行かない訳にはいかないのです。
この「10」の立て札が登山口の目印です
前日、吉野谷村商工観光課へ電話して、スキー場のゲレンデを登る林道が通行可能なことを確かめた。
工事中でダンプ車が頻繁に往来している。登山口は、「10」と記された立て札の処で駐車できる広場が
ある。食物を一杯詰め込んで、熊ベルをぶら下げて歩き始めたのは8時40分だった。
ただ一カ所開けている処より 白山は写っていない?
初めに書いておくが、今の季節は展望は殆どなく、完全に前が開けている処は1052.1mから下った
処一カ所しかない。それで写真を撮るような処が極めて少ない。黙々とブナの幼木の多い林の中を歩くだ
けだ。小さいアップダウンが幾つかあって、先程述べた展望台?を過ぎてしばらくで、1064mの辺りから
痩せ尾根の急登となる。 風遠しが良くて気持がいいのだが、猿がちょいちょい顔を見せ、群が近くに居る
様子で、あまり気持の安らぐ雰囲気ではない。さかんに熊ベルを鳴らしながら歩いた。
やどみ尾展望台より 右の峯が笈ケ岳らしい
その登りもだんだん緩い登りとなって「やどみ尾展望台」に着く。「やどみ」はアカミノイヌツゲだそうである。
ずーっとブナ林だった。この展望台からは幾つかの峰々が望まれるが、あまり好展望とは言い難い。そこ
から頂上までは25分そこそこなのだが、だらだらと長く感じた。まだかまだかという気分だったのだ。頂上
到着は11時5分、一回の休憩を入れて2時間25分の行程だった。眺望はなし。歩いて汗はかいたが、こ
こ頂上は陽射しの中でも暑さは感じない。そう言えば今日はもう9月3日だ。朝は車の窓を開けると寒いく
らいだった。
山頂 中央のもっこりした処が無いといいのだが 三角点に座って写す
ゆっくりとコンビニで仕入れてきた おろしそば を食べた。なかなか美味しい。ビールを持ってこなかったの
が残念だ。この山は林道で950m位まで上がるので、中高年向きだと思う。少し残雪のある新緑の頃か
紅葉の頃がいいのだろう。脚が早くて物足りない人は、営林署の巡視路を探して大瓢箪山を目指すことも
出来るかも知れない。以前の2万5千分の1地図「市原」には、その営林署の巡視路が載っていたいう。
こんな感じの道が続く
戻りは膝をかばって急な下りはゆっくり降りるので、掛かった時間は往きと全く同じだった。土を積んだダン
プの後ろにくっついて林道を下ったが、展望は林道からいくらでも望まれるのだった。
('04年9月3日)