福井の小さな山歩記
動(ゆるぎ)山
前の晩、急に動山(604.3m)に登ることに決めたのだが、地図も無く低い山だからと、全くの行き当たり
ばったりだった。おまけに夫婦揃って早合点するので、とんだ間違いをしたのだが、結果的には道を間違え
たのが正解だったみたいとなった。
県道からの入り口 登山口の弘法水の水場
登山口まで家から1時間半程で着ける手頃なところだし、この道は荒俣峡や赤瀬ダム、安い温泉もあるし、
雰囲気の良いところで私の好きな道だ。鈴ケ岳に2回、それに牛ヶ首峠越えをした時もここを通ったのだ。
大杉下のバス停、四角い穴のあいた岩に登山口と刻まれた所を曲がり、弘法水の水場まで上がると、そこ
が登山口だ。
急登がずっと続く道で、最近あまり急な山道を歩いていないので、どっと汗が吹き出した。急な坂だが石畳
の様な石の道で、登って行くうちに巨岩がゴロゴロしている所を通る。帰りにゆっくり見ようと思ったのだが
結局のところ帰りはここを通らなかったのだ。
山頂近く 観音岩の下の小さな石仏
大日山などをバックに
三角点の上に方位盤がある(ザックなどが載っている台) 小松方面が海までよく見える
頂上からの見晴らしは素晴らしい。大日山がそれに続く尾根とともにくっきりと見える。小松ドームや海まで
すっきりと見えて気持がいい。しかし、ここまでちょっとした休憩をいれて1時間20分近く掛かっている。少し
ガイドブックの時間と比べると掛かり過ぎだ。
小屋があって、その辺りは広くなっていて道が続いている。鷹落山を往復すべくこの道を進んだ。急な下り
で、こんな所を登り返すのは大変だなと思い始めた。そのうちに戻らないで鷹落山から県道に降りようなどと
考えた。しかし、長い下りが終わった辺りに道標があって、右は大杉中で、直進は青年の家とある。そこで
ハッキリととんだ間違いをしたことが判った。薄々あっちに見える尾根じゃないかなと思ったりはしたのだが。
青年の家へ向かう尾根道から動山を望む
もうあんな急登を登り返すわけにもいかないので、青年の家へ降りることに決めた。暫くは尾根伝いの横道
という感じで、462mを越えるとまた青年の家に向かって急な下りだ。最後竹林を抜けると建物裏に出る。県
道から入った処にトイレがある。そこが大杉上のバス停があるところだ。そこから県道を歩くことに。
途中、栗のイガイガが沢山落ちていて、剥くと案外大きな栗が出てきたので、カミさんが集めだした。沢山集
めて家で食べたが、味はいまいちだった。誰も採らないはずなのだ。大杉町の中心に子供達向けの大きな
炊事施設があり、立派なトイレもあるので、そこの屋根の下で食事をしようと思って寄ったら、何百人も居るの
ではと思われる子供達が食事の真っ最中で、入る訳にも行かず、少し先の道沿いの木陰で待望のビールに
ありついた。コンビニのおろし蕎麦をまた買って来たが、やはり美味しい。
登山口の車に戻ったのは午後2時、隣に1台車が停まっていて、座席に北陸の日帰りの山の案内書が置か
れていた。この動山が載っているのか? 天然温泉「せせらぎの郷」(350円)に浸かって汗を流した。動山
は低いけどなかなかの山だったのである。やはり山登りには地図が必要だ。
('04年9月11日)
HOMEPAGEへ 福井の小さな山歩記の目次へ