資料室

TomDogの独断と偏見に溢れるゲームレビューです。 


ボンバーキング

機種:FC
メーカー:ハドソン
発売日:1987/8/7
ジャンル:ACT

 FC時代から今もシリーズが伝わる名作アクション、「ボンバーマン」の外伝的作品です。

 敵を倒しながら爆弾を置いてブロックを壊し、アイテムを回収し、鍵を取って出口から次のステージへ…と書くとボンバーマンと一緒のように聞こえますが、プレイしてみると全然違うことに気付くと思います。

 まず、このゲームにはライフが存在します。
 当然敵の攻撃を受けると減少するのですが、ライフは時間と共にも減少し、制限時間的な役割も果たしています(但し、ボス戦では時間によるライフの減少はない)。

 ボンバーマンでは、爆弾が爆発すると縦と横の十文字に爆風が広がり、また、パワーアップの内容によってはその火力が増して(つまり、爆風の射程が広がる)いました。が、この作品では、縦・横に加え、斜めにも(ブロックへの破壊力は半分ほどですが)爆風が広がり、また、火力が増すことはありません。
 ただ、ボンバーキングの爆弾は爆発するまでの時間が極端に短く、僅かな躊躇が命取りになってしまいます。

 また、爆弾をセットすると、一つ後ろのマスに自動的に後退します。
 これを上手く使えば簡単に爆風から避難できるのですが、設置する際の向きを誤ると逆に閉じ込められる、諸刃の剣的な要素が強い仕様です。

 当然、爆風に巻き込まれると大ダメージを受け、ゲーム開始直後なら巻き込まれた瞬間にゲームオーバーが確定してしまうのですが(ライフ制のためか、残機という概念がない)、得点によるレベルアップで、自機の守備力が増し、ライフが最大に近い状態であれば一発くらいなら爆風にも耐えられるようになります(それでも致死ダメージに近い)。
 但し、レベルが上昇すると共に敵のスピードや攻撃が激しくなります。

 どうもこのゲームは高い評価を受けていないように見えます。
 レビュー系サイトを見ると、特に爆弾の扱いにくさがその要因となっているようです。
 ですが、爆弾の特性に慣れてしまうと、逆に面白く感じてくるでしょう。
 慣れが必要なゲームで、その分人を選ぶゲームですが、その分の面白さは確かだと思います。

 ところで、このゲームは1面をクリアしてからゲームオーバーになると、タイトル画面に「THEME SONG」という項目が現れます。
 そう、このゲームは1面のBGMがテーマ曲になっているのです。
 ゲームのストーリーをよく現していて、熱い歌です。
 何でも、このゲーム発売当初、カラオケコンテストを行っていたとかいないとか。
 最後に、その歌詞を紹介してこのゲームの紹介を終えたいと思います。

   緑の大地は 遥かな夢
   希望の光を その身に受けて
   豊かなアルタイルを 取り戻すまで
   行く手を阻む者は そは何者ぞ

     傷ついた 制御コンピュータ
     遥かに遠い 夢を抱きつつ

    Go for break out
    Go for break out
    ここはコリドー
    駆け抜けろ 駆け破れ ナイト

   輝きなくした この惑星(ほし)に
   最後の望みを 灯すため
   閉ざしたその扉は 大地の底に
   システムプログラムに 起動をかけて

     蘇る 制御コンピュータ
     緑が戻る 青きアルタイル

    Go for break out
    Go for break out
    ここはコリドー
    駆け抜けろ 駆け破れ ナイト


メタルスレイダーグローリー

機種:FC
メーカー:HAL研究所
発売日:1991/8/30
ジャンル:ADV

 FC後期の名作ADVゲームです。

 まず、ストーリーを簡単に紹介します。

 未来の地球。
 ある日、作業用ロボットのパイロットとして働く主人公・日向 忠が、新しい作業用のロボットを購入し、試運転を行おうとした時のこと。
 突然、作業用ロボットの外装がバラバラと崩れ、中から戦闘用のメタルスレイダー(この作品世界でのロボットの総称)が現れます。
 そして、コクピットのモニターに突如表示された、「このメタルスレイダーの創造主を探せ……。地球は危機に瀕している……。」というメッセージ。
 これらの謎を明かすため、忠はガールフレンドのエリナ、妹のあずさとともに、地球を離れることになります。

 とにかくこのゲームは、グラフィックが凄い。
 漫画家の★よしみる氏(現よしみる徳隆氏)がキャラクターをデザインしておられますが、かなりのクオリティでその絵が再現されています。
 また、ゲーム中に挿入されるキャラクターのアニメーションも豊富な上に、その動きがかなり滑らかで、他のFC作品に比べると圧倒的な差に驚くことになります。
 特に圧巻なのは戦闘シーン。迫ってくる敵の動き、主人公機の攻撃時に仲間にジャミングを頼んだときの芸の細かさなど、見ごたえ抜群です。
 下手をすると、スーパーロボット大戦シリーズよりも動いているかもしれません(アルファあたりは別ですが)。
 ゲーム中のキャラクターの表情も豊富で、表情をころころと変えながら喋ってくれます(当然、口パクもあり)。

 TomDogがこのゲームをプレイしたとき、衝撃が走りました。
 「ファミコンでここまでできるのか!」
 そんな感想と共に。
 恐らく、ファミコンの限界に挑戦した作品でしょう。
 それほどまでにこの作品のクオリティは高く、これと肩を並べられるのはラグランジュポイントくらいのものでしょう。

 ただ、このゲームが出た時期が丁度FCからSFCに移行する時期で、FCの注目度が低かった為にマイナーなゲームとなってしまいました。
 先日、ニンテンドウパワーでSFC版が発売されましたが、個人的にはPSなどのCD−ROM以上のハードで、フルボイス・フルアニメーションで遊んでみたい作品です(笑)。


アイドル八犬伝

機種:FC
メーカー:トーワチキ
発売日:1989/9/14
ジャンル:ADV

 トーワチキというと「ホームズ」シリーズの悪評が目立ちますが、実はこんな迷作がありました(笑)。

 ストーリーを書いてみるとこんな風になります。

 日本有数の大財閥・西園寺家の長老であるトミコは、自分の死期が近いことを悟り、後継者候補である3人の娘を呼び寄せ、こう言いました。
「これから3ヶ月の間、全力をあげて自分の名をあげる仕事をしてみせよ。わしはそれによって3人の器量をはかり、誰を跡取りにするか決める」
 若くして数十の会社をたばねる天才実業家の長女・シズカと、数々の特許と博士号を持つ科学者の次女・レイカ。
 それに比べて、三女のエリカは何も出来ないミソッカス。取り柄と言えば、歌うことくらいです。
 そこでエリカは、そのたった一つの特技である歌を使って、スーパーアイドルを目指すことにしたのでした。
 預言者の話によると、スーパーアイドルになるには7人の仲間を集める必要があるのだとか。
 エリカは仲間を集めながら、スーパーアイドルを目指していくことになります。

 なんというか、今になって見直すとかなり無茶苦茶な内容です(笑)。
 オープニングで既にこんな調子ですから、本編はこれに輪をかけて無茶苦茶です。
 歌で十数人の乱闘を収めたり、踊りで耳の遠い老人とコミュニケートを取ったり(あと、「ほほえむ」とか「とぼける」とかいうコマンドも出てくる)。
 登場人物もぶっ飛んでいて、エリカをイロモノアイドルにしようと企む「イロモノ大王」(チョンマゲ鬘に鼻メガネ、日の丸タンクトップに股間にギャロップ、手には日本刀を持ち、果ては光線技まで持っている)などという馬鹿馬鹿しいキャラクターがわんさか(マトモなキャラが一切印象に残らないくらい)登場します。

 そして、要所要所に出てくる、エリカの「歌」。
 これがかなりの曲者です。
 以下、ちょっと歌詞を抜き出してみます。
 

なんで なんで しんじゃうの
たのしく いきれば いいじゃない
いちごのケーキを
おいしくたべて
あまい ココアで
ひとやすみー

 この歌で自殺志願者を止めます(笑)。
 

なかよく しましょう
あらそわないで
みんな なかよく
てを とりあって
ベルマークでも
あつめましょ〜

 上記「十数人の乱闘を収め」る歌がまさにこれです(笑)。

 この時点で既にかなりキていますが、極めつけはEDに流れるエリカのデビュー曲「君はホエホエ娘」(笑)。
 歌詞を見た瞬間、TomDogは作詞者の正気を疑いました(笑)。
 ここに大公開(笑)。

おねだりしちゃう おねだりしちゃう おねだりしちゃう つれてって
おねだりしちゃう おねだりしちゃう おねだりしちゃう ホエホエって
ほしの イリュージョン オチャメな むすめ ベルマーク でもでも
つぶらな こころが ポイント みりょく わたしとて ヒューヒュー
たにに むかって ホエホエむすめなの
1の つぎは2 3はパス ダメなのよさー

おねがいよねえ おねがいよねえ おねがいよねえ シュークリーム
おねがいよねえ おねがいよねえ おねがいよねえ シュガーベイブ
ねこの インビテーション ぎゃふんと わたし うちょうてん ロリロリ
かわに みをまかせ ドーナツ アンパン ダイエット モグモグ
さきに てをうつ ホエホエむすめです
みのる ゆめかつ うちゅう 1 しげき てきよー

まぶしいわ きみ いきができない まぶしいわ きみ きみのめが
まぶしいわ きみ たってられない まぶしいわ きみ きみのゆめ
とくしゅ ソラリゼーション ズゲッと きたワ ためらうの キュンキュン
なりは キラリなの いてざで Bがた ホロリだわ まあまあ
たまに TELして ホエホエむすめGO!
とおる みちあけ そこ のけよー とんちがきくー

 …今、久々に歌詞を見てて気が狂いかけました(笑)。訳が判りません。
 この曲、歌詞はご覧のとおりですが、メロディそのものは結構良く出来てます。
 おかげで、もの凄い洗脳性を発揮。一度聞いたら耳から離れません(笑)。
 今も、歌詞を見るだけであのメロディがまざまざと脳裏に(笑)。

 このゲーム、ゲームとしてはかなり短く、TomDogは初プレイ時、2時間でクリアできてしまいました。
 息抜きには丁度いいかもしれません。

 …息抜きどころか息の根を止められそうな気もしますが(笑)。

 なお、とりあえず発見したら即買いです(笑)。


ジルオール

機種:PS
メーカー:コーエー
発売日:1999/10/7
ジャンル:RPG

 コーエーの出した非常に熱いRPGです(笑)。

 とにかくこのゲームは自由度が高く、主人公の初期能力は勿論のこと、生い立ちなんかも自分で決めることが出来ます。
 ストーリー的には、生い立ちによって主人公の立場が変わってくるので詳しくは書けませんが、大陸の覇権をかけた戦争に巻き込まれる(または身を投じる)、といったような内容です。
 歴史がしっかりと語られるあたりはさすがコーエーと言えます(笑)。

 システム的にはオーソドックスな部類に入りますが、このゲームが特殊なのは、
  1.魂(ソウル)のタイプを変更することでレベルアップ時の能力の伸びを調整できる
  2.武器や防具は鍛冶屋に鍛えてもらうことで強化する
 などがあります。
 1はこれによって新しい技能を修得したり出来たりしますので、このゲームで最も重要なポイントであるとも言えます。
 2は、頭を使わないと「重くなりすぎて装備したら動けない」とかいった事態が発生するので、この辺も頭を使います。

 ゲームをプレイする感覚は、スクウェアの「ロマンシング・サガ」シリーズに近いと言えます。
 プレイヤーの判断でストーリーの(大筋は変わりませんが)展開が大幅に変わり、場合によっては他のキャラの生死も決まってしまいます。

 ストーリー、音楽、グラフィック共にかなり優れた作品ですが、惜しむらくはバランスが悪く、戦闘に苦労すると言う点でしょうか。
 その点にさえ目をつむれば、PSのRPGの中でもトップクラスの作品だと個人的には思うのですが。


ラグランジュポイント

機種:FC
メーカー:コナミ
発売日:1991/4/26
ジャンル:RPG

ラグランジュポイントの発売10周年を記念して、ここでこのゲームのレビューを行います(笑)。

 FC後期にコナミから発売された、SF色を強く持つRPGです。
 この作品のストーリーを大まかに説明すると、大体以下のようになります。

 22世紀、ラグランジュポイント(地球・月・太陽の全ての重力が中和される地点)に建造されたスペースコロニー団、「イシス星団」。人々がそこに移住してから四半世紀がたった頃、イシス星団のコロニーの一つにあるバイオ研究所で事故が発生します。
 その事故で流出した微生物により研究所のあったコロニーは汚染され、動植物はミュータント化してしまい、何者かによって「バイオ軍」が結成されます。彼らはさらに機械兵「クリーチャー」を加え、人々を襲いはじめました。
 やがて、イシス星団は地球との連絡を絶ってしまいます。
 地球から調査隊が送られますが、消息を絶ってしまいます。
 そして、第3次の調査隊の中に、主人公・ジンの姿がありました…。

 ゲームのシステムはオーソドックスな、いわゆるドラクエ形式をとっています。
 このゲームが他のゲームと大きく違う点は、
    1.キャラが「人間」「サイボーグ」「ロボット」の3種に分かれていて、ロボットは専用の武装・回復アイテムを必要とすること
    2.「人間」キャラはHPを消費する大技「きめわざ」コマンドを持つ
    3.2つの武器から新たな武器を作り出す「武器合体システム」
    4.フィールドを移動する際、乗り物に乗る必要があり、物によっては専用アイテムがなくてはならない
 などが上げられます。
 特に大きいのは3で、より強力な武器を探す為に中盤は必死でお金を稼いで組み合わせを調べていました(笑)。
 もっとも、このゲームは武器を装備する為に一定の能力値を持っていることを条件付けられているので、そう簡単に強い武器を装備できないのですが(笑)。

 また、システム以外の点でも、FCとしては最高ランクのグラフィックや、FCで唯一搭載されたFM音源による音(ピアノ音に近い)、それでなくても非常に出来のいいBGMなど、見るべき点の多いゲームです。

 TomDogがこのゲームをはじめて知ったのは小学5年の頃で、当時の「小学5年生(4年生だったかもしれない)」に紹介記事が載っていたのを見かけたときでした(歳がバレる(笑))。
 ヒロイン的なキャラの写真を大きく載せ(ドット絵ではなくイラストでしたが)、そのキャラの名前が間違って禿・デブ・髭の大男の名前が使われてしまっていたのが印象的でした(えー)。ちなみに、プレイしたのは中学に入ってからでした。

 このゲームは発売から10年が経った今でも多くの人からの支持を得ています。
 その点に関しては発売10年となる今においてもファンサイトが存在することから窺い知ることができるのではないでしょうか。

 発売時期のこともあり、FCソフトの中では手に入りやすい部類に入るようです。
 是非一度、プレイしてみることをお奨めします。



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