福井の小さな山歩記


三十三間山(’00・05・20)


天気予報が芳しくないので行くかどうかで迷ったので出発が遅れた。6時50分発となる。
三方町の倉見地区まで順調に走って8時45分歩き出すことが出来た。登山者用駐車場
には私の車だけだった。
林道を歩いて10分で登山口、そして「最後の水場」で沢を渉る。ところがまた沢を渉るで
はないか。そのうち道が危険な感じになってきた。ここへ来て道を間違えたに違いないと
戻ることにした。「最後の水場」まで戻って40分位のロスだ。今日は注意力が散漫だ。

正しい道は歩きやすい道だった。なんだか疲れてしまった感じでとぽとぼと歩く。今日は、
昨日仕入れたばかりのトレッキングシューズなのである。履き心地はグッドだが、どうも今
日は体調がおかしいので初履きには相応しくない日みたいなのだ。

早く夫婦松の展望台に着かないかなと思うほどに調子がいまいちだ。やっと10時25分
に着いてお茶を飲んでバナナを一本食べた。あと一時間位なので頑張ることにする。


(頂上間近の芝生の広場)
一人だからいつも決まって黙々と歩いているのだが、夫婦松から登っていたら急に落葉
の種類が変わって椿みたいな感じの落ち葉が沢山積み重なって広がっていた。ちょうど
金沢銘菓小出柴舟みたいな感じだ。「いまでも一枚一枚塗っています」とか云うあれだ。
昔々その昔、私はそこの本店でレジスターを買って貰った。代金の支払いもすぐだし、そ
れに帰る時に菓子折をくれたりしたのだ。今ではこんなことはないと思うが、金沢と云う町
はそんな感じのところだった。こういうお店は繁盛して貰いたいものだ等と考えながら歩く。

やがてあと700mの案内板があり、間もなく笹藪の中となる。とたんに強い風となり芝生
の広場に出るとまともに風を受けて帽子を押さえながら歩く。しかし三方五湖など展望は
いい。風の無いときにここでゆっくり食事が出来たら最高だろう。



そこから10分程で三十三間山頂上842.3mに到着。山頂は雑木林のために風がなく、
それに空も明るくて落ち着けた。三角点に腰をおろしてレッドチェダーチーズをかじりながら
ビールを飲んだ。チーズとバターの違いは何だなどと脈絡のないことが頭に浮かぶ。脂肪
の含有量の違いだそうだ。あとバナナを一本食べて終わり。

見晴らしはあまり良くないので食べたらすぐに下山だ。芝生広場を横切ったところで男の人
が登ってきた。さっそくお互い写真を撮り合う。この機会を逃したら、もうこの山では自分の
写真を撮ることは出来ないからね。その通りにもう誰も登ってはこなかった。今日の三十三
間山はこの二人で独り占めなのだ。



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