福井の小さな山歩記
岩篭山(’00・05・07)
岩篭山(いわごもりやま・765.2m)は、沢づたいに登るので、増水のときは要注意と
ある。そこで、日中曇り夜雨の天気予報だが、外れることもあるので朝早く出ることに
する。高速を使って7時40分岩篭山登山者用駐車場着。先着一台あり。7時50分に
歩き出す。
(左から右へ渉る)
15分くらいで沢づたいの道になり、5・6回徒渉を繰り返し、時には沢の中程を歩いた
りして、1時間位は沢づたいの道である。水はきれいだし水量もこれ以上増えると困る
かなという感じではあったが、初めてなので変化があって面白い。
沢を離れると急登となる。あえいで登っていると鈴の音が聞こえてくる。すらりとした女
性だけど、眼鏡の部分以外は帽子やタオルの様なもので覆われて、まるでデモで暴
れる学生みたいな格好だった。紫外線除けなのだろうか。
9時50分頃頂上に着いたが、風が強く、近くは見えるが遠くはかすんでいる。写真を
撮ってすぐにインデアン高原へ向かう。早く行ってみたくなる様な景色なのである。
(岩篭山頂上)
一面笹の高原を胸で笹をかき分ける感じで歩くのだが、これもまた面白い。それにこの
大きな石がぽつんぽつんとある独特の景色が不思議と好ましく思えるのである。三角
点のある処へ10時ちょうどに着いたが、もっと先へも行ってみたいような気もする。
切れ目無しに強い風が吹いて帽子はかぶっていられない。アベックが一組居て、そこ
は狭いし、なにかこちらは邪魔者の様な気がして、かみさんに無事到着の電話をして
すぐに引き返した。女性は脚にぴったしのパンツでなかなかいい脚線美だった。
(インデアン高原)
岩篭山の手前まで戻ったとき、突然横の方でばしばしと小枝の折れる音と共にグオッ
という獣の吠える声がしてびっくり仰天脱兎の如く2・30m走ってしまった。姿を見た
訳ではないので熊という確証はないのであるが。
その後すぐに若い男の人とすれ違う。これで今日この山の登山者は5人になった。
私はそのまま休みもせずに下ることにした。明日は会社で重要な会議があることだし
余裕をもって帰りたかったからだ。
ゆっくりと沢を降る。登りと違って余裕をもって辺りの新緑を眺めることができ、豊かな
気分に浸ることが出来る。ほんとに緑がきれいなのである。
登りと全く同じ時間をかけて下りた。往復4時間20分一滴の水も飲まずに背負ってき
てしまい、さすがにお腹がすいて缶ビールをいっきに飲んだのだ。そして、カリフォルニ
アレーズンを使ったというコッペパン型のぶどうパンを食べていたら眠くなってしまった。
至極満ち足りた気分で、インデアン高原のあの景色がちらちらと眼に浮かぶのでした。