福井の小さな山歩記


鬼ヶ岳('00-05-05)


子供の日は素晴らしい天気になった。まだ野坂岳の筋肉痛が少しあるみたいなので
ごく近場の鬼ヶ岳(532.6m)にした。登山口まで家から車で30分くらいか。わかりやす
い場所にある。


(登山口)
9時半から登り始めたのだが、すでに車は十数台止まっており家族連れなどが次々と
登って行く。

登り道全体が岩のようなコースでなかなかの登りだ。それに日差しが暑いのである。
この分だとかなり汗をかきそうだ。今日は大きめの缶ビールにして正解だった。ここで
もまた、竿竹の売り声が集落の方から聞こえてくる。錆びたもの、曲がったもの、古い
もの何でも下取りするという。
小鬼展望台、大鬼展望台、白鬼展望台と見晴らしの良い所を過ぎると一時間程で頂上
に到着。それそれの展望台には物語があって面白い。



(山頂)

まだ10時半だが、頂上の展望台であちこち眺めてから缶ビールを飲んだ。いかくんを
つまみながらである。ふと気が付くと、賞味期限をだいぶ過ぎたいかくんだった。

小学3年位の丸顔の女の子がお父さんと登ってきた。そのあと弟が母親の前を元気よく
登ってきて展望台へ。しばらくして展望台の男の子がおばあちゃ〜んと叫ぶ。見ると杖
をついて大きなリュックを背負ったおばあちゃんが登ってきた。靴が決まっている。まず
神社へお参り。その後一人の爺さんが登ってきて神社に向かい2礼2拍手1礼した。
これで家族が揃ったのだった。男の子が大声で「僕頑張ったぞ」「カップラーメン」などと
元気がいい。今日は「出前一丁」らしい。若いお父さんはフライパンで炒め物をしたりと
忙しそうだ。何かこうほのぼのした雰囲気が伝わってくる。

昨日未明に終結をみたバスの乗っ取り事件等々は、家庭でのしつけの大切さを考えさ
せられる。私の子供の頃、そして私の子供達の学校時代のことを想い出したのである。


(実際はとても綺麗なのですが)
気持ちの良い頂上に40分ばかりいてから下りる。帰りは大虫神社の横手の方からブナ
などの樹林の中の細い道だ。これが新芽の緑の樹海の中といった感じで素晴らしい。あ
ちこちにピンクの花をつけた野つつじが色を添えている。道も登りの岩と対照的に落ち葉
でソフトな感覚で膝にやさしいのだ。帰り道は断然こちらを歩くべきだと思ったのである。

1時間20分程で登山口着。最後は急坂だ。水車の処の水場で顔を洗ってすっきりする。

駐車場の車の所で地元の方とお会いした。この駐車場は、登山口の所に新しい道路が
出来て危ないので、土地を提供して貰い、埋め立てて造ったとのことでした。その方は、
山の上を見に行くとのことで登山口へ向かわれました。ご苦労さまです。おかげで今日
は楽しいひとときを過ごすことができました。



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