福井の小さな山歩記


赤坂山から三国山へ(’00・06・18)


梅雨の間だが今日はどうやら雨がふりそうにないので、遅い出発となったが8時過ぎに家
を出て滋賀県との境にある赤坂山(823.8m)へと向かう。
美浜町新庄の渓流の里から少し奥へ入って、林道折戸谷線を行くと赤坂山登山口がある。

折戸谷林道は未舗装で、かなりひどい凹凸があり心配したが、4日ばかり前に後輪2本の
タイヤは新品と交換したばかりなので少し心強い。なにせ片減りして針金が見えてきては
致し方ないと観念したのである。

折戸谷線の入り口には車が一台停まっていたが、登山口には一台もなく人影もない。ジグ
ザグに高度を上げていくが登りやすい道で、尾根に出たかと思うとV字形に掘られた道が続
く。深坂峠や臼ケ峰往来の峠道を想い出す。

今回はガイドブックもろくに読まず、いつもならガイドブックのコピーを持参するのだがそれも
なし、標識だけがたよりなのだ。家に帰ってすぐにガイドブックを見たら、粟柄峠から赤坂山
へ向かうとある。峠越えの道だったのである。ところが赤坂山の黄色い札があったので、峠
の手前から送電線の巡視路を登ってしまったのだった。


赤坂山山頂

すぐに灌木を抜けて一帯が低い笹の気持ちの良い所に出た。峠からの道に出て間もなく
頂上に到着。滋賀県側からの登山者が次々に到着して山頂は15・6人になった。ここまで
だいたい一時間と20分位掛かった。

頂上は微風で暑くも寒くもなく快適。琵琶湖の湖岸と思えるところがぼやっと見える。360
度の展望なのだが、ガスでこれから行く三国山(876.3m)も全く見えない。それでも粟柄
峠の方は草原といった感じで明るく輝いている。


明王の禿

頂上は蜂やあぶやハエが多く、ブンブンとまつわりついてうるさい。例によってチーズで缶
ビールを飲み、バナナを一本食べて三国山へ向かう。途中、明王の禿と呼ばれるすごい岩
壁があるが、そこを過ぎると平坦な道が長い。Tシャツにショートパンツの男の人がマラソン
で登ってきた。まさに鉄人だ。

三国山は三つの国(若狭、越前、近江)にまたがっていると云うことらしいが、展望は利か
ず、すぐ降りるしかない。ただ三角点が丁度良い場所にあって、その上にカメラを置いてセ
ルフタイマーで自分を撮ることが出来た。


三国山山頂にて

また平坦な道を赤坂山へ向かうが、この間赤坂山の山頂に居た方々と次々すれ違う。皆
さん黒河峠へ降りるらしい。
往復一時間40分位掛かって赤坂山へ戻ってきたが、もう山頂には一人もおらず、何だか
急に寂しさを感じて、ジャムパン一個をお茶で流し込んで、すぐに降りることにした。どうや
ら今日は折戸谷の登山口から登った人は少ないみたいだ。確かに三国山と赤坂山の二
つを登るときは黒河峠から登った方が合理的だと思う。

折戸谷の登山口へ着いたのは3時をまわっていたが、渓流の里は沢山の親子連れが自然
の流れを生かした釣り場で、放流されている魚釣りを楽しんでいた。私も子供を連れてこの
ような養魚場のある渓流へ行った昔を想い出した。エサのイクラが高かったような気がする。


新庄渓流の里



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