福井の小さな山歩記
行人岩参拝道(’01・10・08)
今日は、矢戸坂峠や九十九廻坂の登り口を確認しようかと思って、まず大野の大矢戸集落を目指した。
集落を抜けて山裾まで来ると天文台があり、矢戸坂峠へ通じる峠道に入れる林道が始まる。ところが鎖
が張られている。熊出没の看板もあり、車を天文台の前に停めて考える。
天文台手前に「行人岩参拝道」の案内板があった。修験者の行場だった処があると聞いていたので行っ
てみることにする。幸いにして登り口は目の前にあった。
登山口の説明板
登っていて、これは大変な登山道だと思った。細かい石混じりの斜面を、一段一段掘って段差を付けて
造られている。急斜面をジグザグに登りっぱなしという感じだ。上までずっとロープが張られている。適当
な間隔をおいて、4〜5カ所長椅子を配した休憩所も設けられている。至れり尽くせりなのである。
大変な作業だったことが想像される。もう大矢戸保存会の皆さんにはご苦労様としか言いようがない。
今日は日中暑くてたちまち汗が流れる。私のゆっくりした歩きで50分は掛かったと思う。下りが40分弱
だったので。標高差370〜380mばかりを登ったことになる。
行人岩(窟)
行人窟は予想した物だったが、ちょうど昼なので「展望台まで50m」とあったから、そこへ行って食事と
する。食事と言っても、ポシェットにカレーパン1個、紅玉りんご1個、それにペットボトルを手に持って来た
だけで、こんなに登るとは知らずタオルも忘れて、汗を帽子で拭う有様だったのである。
行人窟の場所であるが、平成9年9月発行の2万5千分の1地図では、右下端の「大野市」の字の上の
572m地点から、30〜40m下った処になる。
展望台から尾根を15分ばかり歩いてみる。踏み跡もあり赤いマークもあって、ずっと行ける様子。だけど
矢戸坂峠まではだいぶあるので今日はやめにする。
展望台からの眺望
この参道は平成11年に整備されているが、どの位の人達が登っているのだろう。保存会の人達ばかり
なんてことはないと思うが、体育の日と云うのに私以外に人の気配はない。私も偶然に知り得た訳だし
何処かに紹介されたのだろうか。
私が思うに、行人窟から尾根伝いに矢戸坂峠に行き、峠道を下って元の場所へ戻れるので、周回コース
とすれば、峠周辺の史跡にも触れられるし手軽なハイキングコースとなるのではなかろうか。
* * * * * * *
大矢戸集落を後にして牛ケ原集落へ向かう。九十九廻坂への道はすぐに判ったが、なんと真新しい完全
舗装の道となっているではないか。「ふるさと林道 美山−大野線」と云うらしい。
峠の下はトンネルとなっていて、現在トンネルの中の方で工事中、道はそこで通行止めだった。トンネル
手前に右へ登っていく道があったので、これを行けば峠へ出られるかも知れない。
九十九廻坂トンネル・右から峠に登れるか? 三社神社跡地の祠
戻る途中、三社神社跡地参道口の標識と新しい丸木の階段があったので登ってみる。なかなかの登りで
クモの巣を払いながら20分位かかり、せっかく着替えたシャツは再び汗びっしょり、帽子も車の中で、額か
ら汗がしたたり落ちる。山の頂上みたいな感じの処に出ると祠があった。「這三神者 上大門村 下大門村
尾永見村 三ケ村○○也」と掘られているのが読める。
なかなかすんなりと峠道を歩かせて貰えないこの頃である。