隠れ家周辺点描


古和秀水からの峨山道

正月三日目の総持寺は閑散としていて、境内の駐車場にも車は一台も停まっていない。丁度昼頃
寺の門前に着いたのだが、拝観料が400円もするし何回も来ているので、すぐに銘水百選の内の
ひとつ霊水・古和秀水(こわしゅうど)に向かう。寺の門前から5km近くもある山の中にある。



閑散とした総持寺                        銘水百選・古和秀水(こわしゅうど)

しかし、圧雪の残る坂道が多く、あと1.3kmの標識を過ぎたところで車はスリップしてのぼれず、1
50mばかり車の置ける処まで慎重にバックして、そこから歩くことにした。首が痛くなってしまった。

古和秀水は、もともとの水源が生水での飲用に適さなくなったとかで、すぐ隣に飲用の水源が設けて
あったのだが、なにやらモーターの音がしている様だった。で、飲んでみると、雪の中だと云うのに冷
たくなかったのだ。

 

           永光寺へ向かう峨山道                                  総持寺へ向かう峨山道

道路沿いの案内板には、峨山道がこの林道を横切っているとあるので周囲を見回わすと、すぐにそれ
と判る石碑と石仏が右手にあり、山を登っていく道らしい。
反対側、総持寺へ向かう道は少し先左手に「峨山道」の小さな標識が建っていた。そこへ足を踏み入
れたが、笹が雪で倒れていたり倒木があったりで、すぐに道は判らなくなり林道へ降りて戻った。

先程の石碑、峨山道と彫ってあると思うのだが一字多い様だ。そこから山へ登るように峨山道へ入る。
よく手入れされた杉林で下草もなく歩きやすい。ゆきの上に一人の往復した足跡があり、私みたいな
人もいたのかななどと思いながら歩いていくと、展望台があり峨山道巡行図というのがあった。それに
よると峨山道は永光寺から総持寺まで一本道ではなかったらしい。

 

杉林の中を縫うように続く峨山道                        何本もの杉の倒木に遮られた峨山道

展望台を過ぎて下って行くと間もなく林道を横切る。そしてU字型の古道特有の道を少し下ると、何本
もの杉の倒木に道を遮られてしまった。それに、その辺一帯の木々が芯だけを残して痛々しく立ってい
るのである。ここだけどうしたことだろう。

先程からの足跡を見ると、倒木は最近倒れたようでもある。気温が高くなってきたのか上から水滴が盛
んに落ちてくる。雨かも知れない。靴はタウンシューズだしスパッツも付けていないので、これ以上進む
のは難しいみたいなので、ここで引き返すことにした。歩きやすい細い道がずっと続いていることが判っ
たので、雪の無いときに先の方、南山から小石の方まで歩いてみたいと思う。

峨山道は、峨山禅師が永光寺と総持寺の間を行き来した道と云われる他、修験者の修行のために使
われていたと云うくらいしか知らない。それだけではこの踏み込まれた道を説明する理由としては乏し
いような気がするのだが。

しかし先の展望台の巡行図を見ると、林道や車道になっているところが多く、今日歩いたような歩道は
ごく限られたところにしか残っていないのが寂しい。

(03年1月3日)


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