福井の小さな山歩記

法恩寺山(99・06・02)

法恩寺山(1356.7m)は今までに2回登ったことがある。いずれも平泉寺からで,
20年以上前のことだからスキー場などはなく、杉木立の中の静かな登山道だっ
た。今は広域基幹林道法恩寺線が中の平避難小屋のそばを通っている ので,
これを利用すると3分の1の時間で頂上へ行ける。

そこで車で林道入り口へ向かったら、勝山市の職員が「全面通行止め」の看板
に「大野へは抜けられません」と云うようなことを、赤い字で書いているところだっ
た。どこで通行止めか聞いたところ、「大野の方へはだめだけど、中の平までなら
3カ所工事中だけだから・・・・・・」ということで川沿いの林道に入らせて貰う。
公式には勝手に進入したと云うことで。

上の方ではスキー場のゲレンデの中を通る。木立が無いから見晴らしはいい。
間もなく登山口の標識と広い駐車場のある所へ着いた。公園になっていて、奥
の駐車場まで良い舗装道路があるらしかったが、林道沿いに車を停めて、避難
小屋から標識に従って歩き始めた。

ところが、最初から道を間違えたらしく,やたらにゲレンデに出てしまうのだ。
まあ登りは楽だったけど、この道は下りに使うべきだと思った。帰り道はほとん
どゲレンデには出なかったがとても急で、雨の時は川となるので、石やら木の根
などで歩きにくかった。また階段も長く,これが奥の駐車場からの道だったのだ。


(頂上での私)
頂上は360度の見晴らしで、とても気持ちが良い所である。ここ法恩寺山の
頂上は、何か心休まる雰囲気がある。ただ、まさに目と鼻の先にスキーリフトの
終点があり、土肌色のすごい光景が広がっているのである。リフトが動いていれ
ば、リフトを乗り継いで頂上に到達できるのである。


(頂上に立って横を見る)
とてつもない自然破壊だと思うのだけど、市にすれば人間がいっぱい来て、地元
に金が落ちて、街の活性化につながるということだろう。 でも大資本に吸い上げ
られてしまう様な気がする。スキージャムには次々と建物が建てられている。工
事関係者の車でいっぱいだ。冬の雇用は増えるかもしれないが、街中のホテル
は最近いくつも閉鎖してしまったのだ。


(法恩教寺跡)
帰りは 中の平の避難小屋で少し休み、2時頃車の方へ向かおうとしたら、中高
年3人のパーティがふうふう言いながら下からやってきた。林道入り口には全面
通行止めの看板があったので、正直者だから平泉寺へまわり、そこから登ってき
たそうで、もう今日は疲れたし、ここで昼飯を食べて帰ることにすると云う。 その
内の一人が、私をよく見掛けたと言うのである。某銀行を定年退職した方だった
。私は仕事で毎日のようにその銀行を訪問していた時期があったのだ。

車でひとっ走り平泉寺の駐車場へ寄り、噂に高いラブリー牧場のソフトクリーム
を食べてから家に向かった。



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