福井の小さな山歩記


荒島岳(’00・11・19)


土日では久しぶりの快晴の様な気がする。寒気が来はじめたので今年の山登りもそろそろ
終わりになりそうなので、今年の締めくくりに百名山の荒島岳(1523.5m)に登ることにし
た。この山は91年5月にかみさんと登ったことがある。その頃は百名山と云う話は聞いたこ
とがなかったように思う。

8時25分頃銀嶺荘の駐車場からゲレンデを登り始めた。40分位で登山口に着き登山道に
入るが、枯れ葉の積もった柔らかい道だと思っていたが、赤土が露出して滑るので段を造っ
てあるのだ。それが過ぎると樹の根だらけの道になる。丸太と小石を入れた布袋で補修さ
れた道もだいぶある。百名山で有名になり登山者がバスツアーで来るようになったりして、
沢山の登山者のせいで道が掘られてしまったのだ。以前来たときと較べてずいぶんと歩きに
くい道となったような気がする。


補修された登山道

2時間強でしゃくなげ平に着く。私の後から6人位は登ってくるのがゲレンデの上から見え
たが、追いつかれないので1人で歩いているのと同じだ。しかし、しゃくなげ平まで来るとも
う降りて来る人達がいる。一旦少し下ってから急登となる。この辺たりから霜柱が多いし道
が凍っている。

頂上に近づくにつれて樹々に付いた氷がバラバラと音を立てて落下する。頂上直下の山陰
の樹々は真っ白な樹氷となって、それが昼近くの気温の上昇と共に、あちこちで一斉に氷り
を落としていた。


白山連峰

12時15分前に3時間20分位かかって頂上に到着。不格好だったコンクリートの建物も取
り払われて360度の見晴らし、雪をかぶった白山連峰、遠く白く輝く壁の様に連なるアルプ
スの山々等々素晴らしい。


山頂

登ってくる途中、15人ばかり下山してくる人と出会って、頂上には5・6人が休んでいた。風
を遮る物が無いので寒いのであまり長くは居られない。 ビールを持ってきたがそれどころで
はなく、サンドイッチとアンパンをペットボトルのお茶で流し込んでいる間にも手がかじかんで
くるし、鼻水が垂れてくる始末なのである。
それでも頂上に30分以上いたが、寒さにたまらずに下山とした。

晩秋の午後の日射しが、枯れ葉の山道に樹々の長い影を落としていて、なにかしらうら寂
しい。その中を一人黙々と歩く。凍った急坂を足をふんばって降りたりして脚の筋肉にダメー
ジを与えたのか痛みを我慢しながらの下山となった。それでもスキー場のゲレンデの上に出
たときはほっとして、向かいの山の鮮やかな紅葉を眺めながらひっそりとしたゲレンデをゆっ
くりと下ったのである。


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