福井の小さな山歩記
蛇鏡岳(’01・05・03)
今日は朝が遅かった。それで登山口を調べるつもりで和泉村の角野前坂へ向かったのだった。
ところが林道の駐車場に着いてすぐに登山口が見つかってしまったし、石の階段が始まってい
たのだ。これでは登らない訳には行かない。10時半に登り始めた。
最初はほぼ順調で下の方に池が見えるところを通って、やがて雪のある谷に出た。道が判らな
いので反対側の尾根に登り藪こぎとなる。これは正解で、登りきると道が見つかる。しかし、それ
以後は細い尾根の藪こぎが続く。これは道とは言い難いものだ。尾根から滑り落ちない様に歩く
感じだ。距離は短いが時間が掛かるので、1時までに頂上に着かなかったら引き返そうと思った
が、ちょうど1時に着くことが出来た。2時間半掛かったので、登山口に戻るのは3時半までには
大丈夫だろうと考えた。
2万5千分の1の地図には、蛇鏡岳の名前も標高も記入がない。「福井の山150」では1140m
とあった。
登る途中までは晴れていて和泉スキー場が見下ろせたが、やがてガスがかかって展望は無くな
った。帰りは一本道のはずがとんだミスを犯してしまった。1121.3mのピークから後野の方へ下れ
るらしい。そこをだいぶ降りてしまったのだ。登りなおすしかない。これは辛かった。時間も掛かっ
た。やっとピークへたどり着き本来の道を降りる。これで安心かと思ったらそうでなかった。
雪のある谷へ出て往きに来た道へ入ろうとしたら違うのである。そこで雪の谷を上へ行ったり下
へ行ったりして探したがそれらしいものは見当たらなかった。疲れているし時間も5時を過ぎてい
る。そこで目指す地点は近いのでGPSの示す方向へ藪こぎすることにした。
今日はGPSは登りでは2回ばかり見ただけでスイッチを切っていた。電池の残量が無かったからだ
が、道に迷ってからはこまめに地図上で居場所を確認した。やはり登る時の軌跡は取るべきだった
と思った。
幸い割とひどい藪でなくやがて沢へでた。今日は登るつもりでなかったので350ml
のお茶と190g
の缶コーヒー、小さいロールパン3個、バナナ2本しか持って来なかったので、水分が不足してい
た。沢の水は冷たくて美味かった。そこから間もなく見覚えのある場所に出られたのである。
登山口に着いたのは薄暗くなった6時半、8時間もうろついてしまったことになる。そこで野営をし
て明日朝釣りをするという人がいて、「この車の人はどうしたのかな、夜になったら一応警察にで
も連絡しなくてはと思っていたんですよ」と笑いながら言われた。今回は笑って済んで良かったが
もう少し慎重に行動しなければとつくづく思った次第である。
前坂の家族旅行村は煌々と灯りがついていて、利用者の車が沢山停まって賑わっていた。