福井の小さな山歩記


雲谷山('01-04-28)


雲谷山(786.6m)は、国道27号線の三方町は三方石観音の裏手から登る山だ。本堂の後ろ
に車を置かせて貰ったが、そこが登り口になっていた。もっと奥から登れば近道らしいが、道
が壊れていて車では行けないとある。



本堂後ろの登り口

すぐにジグザグに登って行く、自然遊歩道として整備されているので歩きやすい。展望台が
1・2・3と設けられていて、贅沢にも道に芝生が植えられていたりする。天気は良いし三方五
湖が見下ろせて、いい気分で歩いて行くと,道幅いっぱいに障害物が置かれて通行止めにな
っているではないか。

大丈夫かなと思いながら通り過ぎると、間もなく登山道への分岐点へ着く。遊歩道の方は,其
処から先が危ない様子だ。登山道は淡々と小さい尾根をほぼ真っ直ぐに登って行く。急な処も
あるが長くは続かない。下りもあるがせっかく登ったのに損するみたいだ等と思う様な長い下り
もなく、何か中高年向きの山だなあと思う。高山気分が無いとか、お花畑のある処がいいとか、
はたまた百名山じゃないと山ではないと思うような方々の来るところではないようだ。

  

広い谷間の道と植物                     第3展望台から三方五湖方面

そこら辺り一面、、艶のある濃い緑の葉っぱを持つ灌木の茂る,浅くて広い谷間を通る。ちょっと
変わった景色もいい。 そこから一息登ると、やがてなだらかな感じとなり、頂上へ至る。休み休
みのゆっくり歩きで3時間だった。

  

雲谷山山頂 雑木があるが割と広くなっている。

まずは発泡酒、うまい。1個百円のいわしの缶詰がつまみだ。バナナに3個入りのいなり寿司
と今日は食欲がある。行程の5分の2位が歩きやすい遊歩道のせいかもしれない。灌木のため
頂上からの眺望はだめだった。

帰りは新芽の吹き出した草木をゆっくりめでながら歩く。今日は一日中涼しく爽やかな風が吹い
ていて気持ちがいい。この新芽というのは間近で見ると透けて見える様で、ちょうど生まれて間
もない赤ちゃんの、ぎゅっと握られた手を開いてみた時の,あの透き通る様な指を想い出させる。

下りも2時間半以上かかって三方石観音へ辿り着く。 この素晴らしい芽吹きの山を私一人しか
見ないというのも贅沢だが、もったいない気もする。ジグザグの道を下っていたら、上空をヘリコ
プターが「最近山火事の発生が多くなっています。山へ入る方は火の元には十分気をつけて下
さい」等とがなりたてながら山の方へ向かって行った。



再び静寂に包まれた三方石観音から一歩国道に出ると、そこはゴールデンウイーク初日の賑わ
いを感じさせる車の列が続いていたのだった。


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