福井の小さな山歩記


水無山('01-04-14)


水無山(784.3m)は、みつまた山へ登るときに通る岩屋観音の向かい側から登る。しかし、登山口
が何処にあるか知らなかったのだ。8時少し前、岩屋観音の駐車場に着いたら先着の車がいて、中年
の人が身支度をしていた。8時頃リュックとストックを持って歩き出したので、私もその後ろを少し離れて
続くことにした。

が、私が思っていた橋より150m程手前にある橋を渡って行く。でも山道に入ると小さな沢づたいに登
ってゆき、方向としては水無山に向かっている。先程の人はすぐに姿が見えなくなってしまった。もしか
したら山菜採りかもしれない訳だし、それを確かめないでついてきた私は、はなはだ慎重さに欠けてい
たなあと思うのである。



稜線に出て休んだ場所 赤いのはプラスチックの杭

沢づたいの道はだんだんと不明確になり、ついには道無き道を、それも急な斜面を雑木に掴まって登る
はめになった。なかなか大変なところだったが、やっとのこと稜線に出て一休みすることが出来た。地図
で確認したら475mのピークからくる尾根上で、この尾根を辿れば間違いなく水無山の頂上へ行ける。
さて出発と立ち上がったらストックが無いことに気が付いた。大仏寺山で川に流して新しく購入したのに
またなくしてしまったのだ。

水無山から来る尾根にぶつかるまでの行程は、小さい木に蔓がからみついて行く手をふさぐひどいやせ
尾根で、おまけに急なところもあlり距離は短いが大変に難儀な所だ。トゲのある草か蔓が多いので困る。
急に歩きやすくなったと思ったら、水無山へ続く尾根に合流、それを辿って水無山の頂上へ。三角点の
埋められた石を見つけてしゃがみ込んだ。だいぶお疲れになってしまった。11時15分着である。

                                                                                          

       頂上の三角点                            高い木の上に取り付けられた木の札

イカクンで缶ビールを飲むがいまいちだし、久しぶりに持ってきた「厳選小豆使用・高級つぶあん入りあ
んパン」も食べる気がしない。バナナを一本食べて11時30分に戻ることにする。帰りのルートも定かで
ないし、ここは雑木もあるが今日は霞んだようであまり周囲はよく見えないからだ。

初めは今来た尾根を下り、途中から岩屋の方向へ向かう尾根に入らねばならないと思って気をつけて
いたのだが、いつの間にか真っ直ぐに岩屋に向かう尾根を下っていることに気が付いた。しかし、これも
だんだんと雑木が重なり合う歩行困難な状況となってきた。それにすごくやせた尾根だなあと思ってい
たら、今度は行く先が急斜面なのだ。尾根が切れているのである。雑木があれば掴まるが、其れもない
と両足を揃えて腰を落としてずるずると滑り降りる。尻もちをついてそのまま滑るときもあり、悪戦苦闘と
いった状況だが、おまけにナップザックの左肩ベルトが根元から引きちぎれて取れてしまったのである。

地図を見たら尾根の右谷へ降りている。岩屋のところで岩屋川に流れ込む沢の上流へ降りたので、沢
伝いにあと400mくらいで終点と判りほっとする。ここでぐにゃぐにゃになったサンドイッチをお茶で流し込
んだ。沢沿いを岩屋の近くまでくると、赤いペンキを塗りたくった目印があり、ここら辺りが地図にある登
山口らしい。

駐車場に2時10分くらいに着いた。例の車はまだ停まっていた。あの中年の人は何処へ行ったのだろう
か。家に帰ってシャワーを浴びたが、腕や脚はもとより太ももの裏側やお尻までキズだらけだったのである。
いやあ 今日はひどい一日だった。


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