福井の小さな山歩記


加賀禅定道を長倉山へ(石川県・9月22日)


白山スーパー林道方面と岩間温泉方面とに分かれる所に、スーパー林道竣工記念碑があって、
駐車出来る広場があるが、さらに岩間温泉方面へ少し行くと「加賀禅定道ハライ谷登山口」の標
柱があり案内板が建っている。車は数台留められる。

7時20分に登り始める。今日はかみさんと二人連れだ。約一時間程つづら折れの道を登る。それ
から、しっとりとした杉林あり急登のブナ林あり、なだらかな道ありで、その昔白山を目指した信仰
の道だから登りやすい良い道だ。道幅は広く整備されている。



「にちょうとぎ」「檜新宮」と進むとなだらかな気持ちの良い尾根歩きで、昔白山へ向かった人々も
ほっとした気持ちになって歩いたに違いない。一里野からの道と出会う「しかりば分岐」からは、白
山がくっきりと見えて、それに向かう尾根が連なり、この道をこのまま行けばあの尾根を通って白山
へ到達出来るのだと思う。それには長倉山への道のりの3倍以上も歩かねばならないのだが。

しかりば分岐からは、道は細い尾根道となり私にとってはかなり辛い登りだった。もう頂上かなと思
うと、まだ先があるという感じが何回かあるのだ。それでも11時ちょうどに長倉山(1630m)山頂
に着いた。3時間40分、だいぶ何回も休んだしゆっくりペースだから、誰でもこれ以上掛かることは
ないと思われる。三角点が無いので地図上には載ってないが、口長倉(1660.6m)の400m位
手前に位置すると思う。



長倉山山頂 後ろの山は白山

吸い込まれる様な青空、眺望も素晴らしい。白山をバックに食事となった。今日はビールは無し、お
にぎりとラーメン、そしていかくんでコーヒー、みかんなどである。バナナは途中で食べた。幸せな気
分である。昔の人はお湯を沸かすのも簡単にはいかなかったであろうに。何を食べていたのだろうか。

片づけ始めたらご夫婦が登ってきた。今日の出会いはこの方達だけ、一里野の方から登ってこられ
たとのこと。入れ替わりに下山となった。11時50分頂上を離れる。戻りは一里野のゴンドラリフトの
山頂駅を目指すことになる。時間はたっぷりあるのでのんびり歩くが、これがまたなかなか趣のある
素敵な道なのである。気持ちの良いブナ林あり、檜の山あり、ごつごつと岩の出ているところありだ。

面白い格好をした巨木も多いが、なんといっても檜倉の標柱のあるところは一見に値する。大きな岩
に巨木が乗っていたり、からみついたりして独特の形を創り出している。写真がうまく撮れないのが
残念だ。 この檜倉の標柱の在る処は、2万5千分の1地図にある檜倉(1214m)からはだいぶ下
がった処にある様に思われる。



左奥白山  右手前長倉山  しかりば分岐付近から

そこから林道を横切って暫く下るとゴンドラリフトの山頂駅に着いた。こちらにも加賀禅定道登山口の
標識があった。展望台があり双眼鏡があるが100円玉が必要である。今日は往復とも心安らぐ道だ
った。まさに千年の歴史を持つ禅定道に相応しい道だと思う。

ところが最後にきてつまずいてしまった。ここから一里野に降りる道は禅定道ではないのだ。まず道
を探すのに手間取ったうえに、この道がすごい急坂で滑るし、途中道を間違えたりして疲労困憊40分
も掛かってスーパー林道竣工記念碑の処へ辿り着いたのだった。もし一里野に下山される方がいらし
たら、ゴンドラが動いていたらゴンドラで降りることをお勧めする。5分だそうですし下道を歩く時間を考
えてもずっと楽です。林道もありますが2時間はかかりそうです。

記念碑の前に、村の長老のみなさんが集まっていらしたので、休むついでにお話をお聞きしました。付
近の山のことなら何でも詳しい長老や、若い頃消防関係で山を歩き回った長老の話など興味が尽きな
い。そこから20分歩いてハライ谷の登山口へ。ちょうど4時に着いて今日の山登りは終わりとなった。
車でそこを通ったら、みなさん集まったところで記念碑の周囲の草刈り等の整備を始めていました。


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