還暦つれづれ草


人間ドック


今日、一泊二日の人間ドックを受けてきた。昨年はドック入りはしなかった様な気がする。
脳梗塞で倒れて以来、毎月一回病院へ通って血液検査等をしているから、滅多なことは
ないだろうという感じである。でも、それでは癌は判らないと思い、大腸や胃を内視鏡で
見て貰うことにしている。私の両親は癌で死んだので、遺伝?とか体質?等で癌に罹り
やすいと云うことが在るかも知れないとの一抹の不安もあるし。

この内視鏡の検査というヤツは、何回やっても嫌なものである。胃カメラを飲み込む時は、
いつもゲボゲボとなるし、大腸の時も無理矢理押し込まれて、痛くてまいったこともある。
おまけに、医者が「なんだ、まだ便が沢山詰まっているじゃないか、これでは判らん」など
と言われても困る。こちらは病院の指示通りにやっているのだから。

今回はあらかじめ便秘がちだと言っておいたし、医者も違うし何事もなく終えたが、腹部の
レントゲン写真を見た医者が「便秘がちですか、お腹に便が多いですね。あまりひどかった
ら薬を出しますから」と言われた。

大腸カメラはとても辛い。胃カメラはそれに較べるとやや楽だが、それでも辛い時があった。
胃に空気を入れすぎるのである。胃はぱんぱんに膨れ、蛙の話ではないがパンクしそうな
苦しさなのだ。子供の時、近所の自転車屋のお兄さんが、蛙のお腹を空気入れで膨らまし
た時、私は側で見ていただけなのだが。
口が利けないし苦しみながら終わりを待つしかないのである。終わったとたん、口からシュ
ーッと音を立てて空気が抜けたのである。きっと、この医者に掛かった人は、何人もがこの
苦しみを味わったに違いない。

胃にポリープなどがあると、検査のため組織をつまみ取ったりするので時間が掛かるのだ。
テレビの画面を見ていると、ポリープをつまみ取った瞬間、血液がパッと飛び散るのが見え
たりする。医者が看護婦に「その消毒液を取ってくれ」「えっ、これ喉のうがいに使うやつで
すけど、これですか?」「そうだ、知らなかったのか」などと言うのが聞こえてくる。その消毒
液が胃に注がれて検査は終わりとなるのだが、後で、喉の消毒液のあの味と香りを持った
おおきなげっぷが出てくるのである。

まあ今回はおおむね良好な結果で一安心である。昨夜の食事にはウナギの蒲焼きが出た。
人間ドックの食事は案外と楽しみなのである。このドックは一回5〜6万円はするので食事
もそこそこの物が出るのであろう。
しかし、今朝の検査は5時から始まったのだが、当直の看護婦さんは忙しく飛んで回ってい
て、なかなか時間通りには行かなかった。看護婦の仕事は本当に大変な仕事だと思わされ
るのである。

(’00・07・12)



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